大塚製薬株式会社 診断事業部
ヒトアディポネクチン ELISAキット
注目のアディポサイエンス
脂肪組織は、かつて考えられたような脂肪を蓄えるのみの受動的な組織ではなく、様々な生理活性因子アディポサイトカインを産生・分泌する内分泌組織と考えられるようになってきました。その中でも、脂肪細胞より分泌されるアディポサイトカインの研究を主とするアディポサイエンスや、多種類の中枢性摂食調節因子の発見に基づく視床下部機能の分子レベルでの研究が、多くの研究者の方々により解明されつつあります。
アディポサイエンスの歴史は浅く、脂肪細胞から分泌されるサイトカインの作用が動物実験で報告されたのは約10年前の事です。1993年、米国Spiegelmanらが、TNF-αの肥満マウス脂肪組織において発現量が亢進し、TNF-αの作用をブロックするとことによりインスリン抵抗性が改善することから、この分子がインスリン抵抗性の発症に関与している可能性が示唆いたしました。更に翌年、肥満マウスの原因分子としてレプチンが同定され、その機能として体脂肪の増加に伴う分泌量の増加と視床下部への食欲抑制を促すことから広く注目をされるようになりました。更に、脂肪組織発現遺伝子の大規模シークエンスの結果、脂肪組織、特に内臓脂肪において多彩な生理活性分泌因子の発現が明らかになってきております。
その中でも脂肪組織発現遺伝子解析過程で発見された脂肪組織に高発現する遺伝子、apM1(adipose most abundant gene transcript 1)の産物であるアディポネクチン(adiponectin)は、ヒト血中に高濃度で存在することが分かってまいりました。岩井化学薬品では、大塚製薬のヒトアディポネクチンELISAキットをはじめ、米国Zen-Bio社のヒト白色脂肪細胞関連商品(培養ヒト白色脂肪細胞、培養ヒト白色脂肪前駆物質など)、ヒト白色脂肪細胞受託アッセイサービスを商品ラインアップに取り揃え、アディポサイエンス研究をサポートしております。
キットの特徴
- リコンビナントアディポネクチンを用いて作製した抗体による酵素免疫測定法(ELISA法)です。
- 血清または血漿や脂肪細胞抽出液、または培養上清中のアディポネクチンを特異的に精度よく簡便に測定することが可能です。
キットの構成(ヒト用)
- 洗浄用原液
- 検体前処理液
- 検体希釈用原液
- 抗体プレート(抗アディポネクチンモノクロ抗体固相プレート)
- 標準品12.0ng/mL(リコンビナントヒトアディポネクチン)
- 第一抗体液(ウサギ抗ヒトアディポネクチン抗血清)
- 酵素標識抗体原液(HRP標識 ヤギ抗ウサギIgGポリクローナル抗体)
- 酵素標識抗体希釈液
- 基質液A 3, 3', 5, 5'-テトラメチルベンシジン
- 基質液B 過酸化水素
- 反応停止液
キットの性能
ヒトアディポネクチン ELISAキット
測定範囲
0.375~12.0ng/mLのアディポネクチンを測定することができる。また最小検出限界は23.4pg/mLであった。
交差反応性
リコンビナントマウスアディポネクチンとの交差反応は320ng/mLにおいても認められなかった。またマウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウシ胎児の各血清を測定したとき、測定範囲下限(0.375ng/mL)未満であった。
希釈試験
3種類のヒト血清を標準操作法に従い前処理(5,100倍希釈)後、2倍段階希釈して測定した。いずれの血清でも良好な希釈曲線が得られた。(上図)
感度試験
標準液12.0ng/mLの吸光度は1.0を示した。
再現性試験
2種類の濃度および検体を同時に4回測定および6回繰り返して測定したとき、変動係数はそれぞれ10%未満であった。
詳細 | メーカー | 製品番号 | 製品名 | 容量 | 価格 | 在庫情報 | 保存温度 | 法規制 | ||||||||||||||||||||||
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大塚製薬 診断事業部 | 410614 | ヒトアディポネクチン ELISAキット | 96T | ¥80,000 | 問合せ | 冷蔵 | ||||||||||||||||||||||||
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※本製品は研究用試薬です。診断目的には使用できません。
※価格・包装等は予告なく変更される場合がございます。