免疫グレード(Immunization Grade)I・II型コラーゲン
実験動物にコラーゲン関節炎(CIA)を惹起するためには、用いる実験動物の品質と同様にII型コラーゲンの品質も重要です。ChondrexではCIAの惹起に適した様々な動物種の高純度II型コラーゲンをご用意しています。またこれらのコラーゲンは細胞培養や人工軟骨のバイオエンジニアリングのような様々な用途に使用することもできます。
げっ歯類のCIA感受性は動物のMHCクラスII分子に関係し、さらに免疫に用いるII型コラーゲンの種類にも依存しています。CIAを惹起するために下図を参考に適した種類のII型コラーゲンを選択することをお勧めします。II型コラーゲンは溶液および凍結乾燥品を用意していますので実験目的に応じて使い分けることができます。
軟骨のような無血管組織に局在しているII型コラーゲンとは対照的に、I型コラーゲンは広く一般の結合組織中に多量に存在し、細胞培養やバイオエンジニアリングのような多くの目的に基質として広く用いられています。Chondrexではさまざまな研究に用いることができる高純度I型コラーゲンをご用意しており、また関節炎の研究においても実験のコントロールとして用いることができます。

Courtesy of HistoTox Labs, Inc.
Ⅱ型コラーゲンの動物種 | マウス | ラット | 霊長類サル | ||
---|---|---|---|---|---|
DBA/1(H-2q) | B10,Rlll(H-2r) | LOU(RT1u) | Lewis(RT1l) | ||
ニワトリ | +++ | – | +++ | ++ | +++ |
ウシ | +++ | +++ | +++ | +++ | +++ |
ブタ | +++ | +++ | +++ | +++ | Not Determined |
ヒト | ++ | – | + | + | ++ |
免疫グレードII型コラーゲン
製品番号 | 動物種 | 形状 | 製品情報 | 関連資料 |
---|---|---|---|---|
20011 ![]() | ニワトリ | 凍結乾燥品 | 10 mg | データシート |
20012 ![]() | ニワトリ | 溶液(0.05M 酢酸) | 5 ml (2 mg/ml) | データシート |
20021 ![]() | ウシ | 凍結乾燥品 | 10 mg | データシート |
20022 ![]() | ウシ | 溶液(0.05M 酢酸) | 5 ml (2 mg/ml) | データシート |
20031 | ブタ | 凍結乾燥品 | 10 mg | データシート |
20032 | ブタ | 溶液(0.05M 酢酸) | 5 ml (2 mg/ml) | データシート |
20041 | ラット | 凍結乾燥品 | 5 mg | データシート |
20042 | ラット | 溶液(0.05M 酢酸) | 2.5 ml (2 mg/ml) | データシート |
20051 | ヒト | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
20052 | ヒト | 溶液(0.05M 酢酸) | 0.5 ml (2 mg/ml) | データシート |
20061 | マウス | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
20062 | マウス | 溶液(0.05M 酢酸) | 0.5 ml (2 mg/ml) | データシート |
20071 | ヤギ | 凍結乾燥品 | 5 mg | データシート |
20081 | ヒツジ | 凍結乾燥品 | 5 mg | データシート |

※このマークがついている製品は全てのロットで、DBA/1マウスを用いてコラーゲン関節炎(CIA)惹起能を確認しております。
免疫グレードⅠ型コラーゲン
製品番号 | 動物種 | 形状 | 製品情報 | 関連資料 |
---|---|---|---|---|
1061 | ニワトリ | 凍結乾燥品 | 10 mg | データシート |
1062 | ウシ | 凍結乾燥品 | 10 mg | データシート |
1063 | ブタ | 凍結乾燥品 | 10 mg | データシート |
1064 | ラット | 凍結乾燥品 | 5 mg | データシート |
1065 | ヒト | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
1066 | マウス | 凍結乾燥品 | 5 mg | データシート |
1067 | ウサギ | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
1068 | イヌ | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
免疫グレード(Immunization Grade)III・IV・V・IX・XI型コラーゲン
ChondrexではI型やII型以外にも、下記の免疫グレードコラーゲンをご提供しています。
免疫グレードIII型コラーゲン
免疫グレードIV型コラーゲン
糸球体基底膜(GBM)の主要成分であるIV型コラーゲンの非コラーゲン性ドメイン(NC1)の免疫によりWKYラットに糸球体腎炎を誘導することができます。また、マウスおよびラットの腎IV型コラーゲンから精製したNC1フラグメントは、GBMに対する自己抗体を研究するために供給されます。
製品番号 | 製品名 | 形状 | 製品情報 | 関連資料 |
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1102 | NC1 Fragment of Bovine GBM Type IV Collagen | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
1106 | NC1 Fragment of Mouse Renal Type IV Collagen | 凍結乾燥品 | 0.1 mg | データシート |
1104 | NC1 Fragment of Rat Renal Type IV Collagen | 凍結乾燥品 | 0.1 mg | データシート |
免疫グレードV型コラーゲン
I型およびIII型コラーゲンの含まれている組織に少量含まれている繊維製コラーゲンで、1(V型)鎖、2(V型)鎖、3(V型)鎖が様々な割合で混合した三量体の混合物です。V型コラーゲンは肺移植後の移植片拒絶反応において役割を果たしている可能性が提起されています。
製品番号 | 動物種 | 構成 | 形状 | 製品情報 | 関連資料 |
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1092 | ウシ | [α1(V)]2α2(V) | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
1095 | ヒト(羊膜) | [α1(V)]2α2(V) | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
10951 | ヒト(胎盤) | α1(V)α2(V)α3(V)+[α1(V)]2α2(V) | 凍結乾燥品 | 1 mg | データシート |
1096 | マウス | [α1(V)]2α2(V) | 凍結乾燥品 | 0.1 mg | データシート |
免疫グレードIX型コラーゲン
軟骨のコラーゲン線維に結合しており、IX型コラーゲンに対する自己抗体は多発性軟骨炎に関与している可能性が示唆されています。
免疫グレードXI型コラーゲン
軟骨のコラーゲン線維に主に存在する線維性コラーゲンで、IX型と同じく多発性軟骨炎では血清中にXI型コラーゲン抗体が存在することが認められています。