RUO サイトカイン

1. タンパク質製品の安定性について何を知っておくべきでしょうか

試験成績書に特に記載のない限りは、PeproTech社のどの製品も凍結乾燥したタンパク質が室温で高い安定性を示すような組成になっています。ただし、凍結乾燥製品は-20℃~-80℃で保存することを推奨します。大部分の製品で調製後の溶液は短期間であれば4℃で保存することを推奨します。長期保存の場合には、タンパク質溶液は実用量に分注し、キャリアタンパク質(例:0.1% BSA)を添加して-20℃~-80℃で凍結保存してください。分注したタンパク質溶液は、1µg/mL以上の濃度(濃度にかかわらず10µL以上の液量)に調製してください。凍結融解サイクルを経るごとにタンパク質の変性が生じるおそれがあるので留意が必要です。

2. タンパク質の購入時のエンドトキシンレベルについて教えてください

PeproTech社の動物由来成分不含サイトカインにおけるエンドトキシン濃度は、タンパク質1µgあたり0.01ngもしくは0.1EU未満であることが保証されています。また、非動物由来成分不含サイトカインについては、そのほとんどで1µgあたり0.1ng未満もしくは1EU未満のエンドトキシン濃度であることが保証されています。ただし、PeproTech社の多くのタンパク質では、エンドトキシン濃度の実測値は常に上記のエンドトキシン濃度より低くなります。

3. バイアル中にタンパク質のペレット(パウダー)が確認できないのはなぜですか

市販されている多くのタンパク質製品とは異なり、PeproTech社の製品はキャリアタンパク質や他の添加物(例:BSA、HSA、ショ糖)が使用されておらず、多くの場合最低限の量の塩類と共に凍結乾燥されています。そのため、凍結乾燥の際、バイアル内には目に見えないこともあるほどの薄い層になってわずかな量のタンパク質が沈着する可能性があります。開栓前に卓上型遠心分離器で各バイアルを20~30秒間遠心し、キャップやバイアル内壁に付着している可能性のあるタンパク質をバイアル底部に集めることを推奨します。PeproTech社の品質管理手順によって、各バイアルに適正量の製品が充填されていることを保証しています。

4. ED50で表される活性とunits/mgで表される比活性にはどのような関係があるでしょうか

活性が最大反応の50%に達するサイトカイン濃度がED50と定義されます。この効力の表現方法は、用量反応曲線がシグモイド曲線になるサイトカインにのみ用います。ED50(ng/mL)で表される活性からunits/mgで表される比活性に変換する公式は次のとおりです。

5. 種間交差活性を示すサイトカインはどれですか

多少の例外はありますが、大部分のヒトサイトカインはマウス細胞で活性を示します。多くのマウスサイトカインは、ヒト細胞で活性を示しますが、対応するヒトサイトカインと比べて比活性が低くなります。IL-7などの幾つかのヒトサイトカインは、対応するマウスサイトカインと比べて、マウス細胞ではさらに高い比活性を示します。インターフェロン、GM-CSF、IL-3、IL-4 は、種特異的であり、異種細胞に対しては示したとしてもほんのわずかな活性しか示さないことが明らかになっています。これに対し、FGFおよびニューロトロフィンは、非常に高度に保存されており、他の動物種の細胞に対して優れた活性を発揮します。

ヒトES/iPS 細胞用維持培地

6. PeproGrowTM hESCはどのような培地ですか

PeproGrowTM hESC は、ラトガース大学(アメリカ・ニュージャージー州)Stem Cell Training CourseとPeproTech社が共同で設計開発した独自組成の培地です。この培地は、血清やフェノールレッドを含んでおらず、化学的組成が完全に明らかな培地で、ヒトES細胞およびヒトiPS細胞の増殖培養への使用を目的としています。この培地は、FGF-basic の他、特異なTGF-β経路活性化因子(同様の経路を活性化するインスリンの代替)を使用しており、TGF-β阻害因子は使用していません。

7. PeproGrowTM hESCはどのように保存したらよいですか

受領後1週間以内に使用する場合は、基礎培地と成長因子構成品は4℃の暗所に保管してください。1週間を超えて長期間保管する場合は、基礎培地は4℃の暗所で6ヵ月間、凍結乾燥された成長因子構成品は-20℃で5年間まで保管できます。

8. PeproGrowTM hESCはどのように調製したらよいですか

凍結乾燥された成長因子構成品をキットのサイズにより細胞培養用滅菌水100µLまたは500µLで溶解します。バイアルを数分間静置し、数回ゆっくりと転倒混和したあと遠心分離します。培地ボトルに成長因子構成品の全内容物を無菌的に添加します。混合した日付と新たに算出した使用期限(混合した日から2週間)をボトルに表示します。必要時まで4℃の暗所で培地を保管し、栄養源の供給に必要な量の培地だけをその都度加温します。

9. 現在使用している培地からPeproGrowTM hESCに切り替えるにはどうしたらよいですか

馴化ステップを踏まずにすぐに培地を切り替えることができます(迅速プロトコル)。1 週間かけてPeproGrowTM hESC培地の割合を毎日少しずつ増やしていくことも可能です(馴化プロトコル)。

10. 馴化プロトコルで何か注意すべきことはありますか

馴化は必須ではありません。細胞はPeproGrowTM hESCにすぐに順応しますので、馴化はお客様の判断で行ってください。馴化プロトコルを使用する場合、念のため、現在使用中の培地で培養を維持してもかまいません。培養を順応させる際、PeproGrowTM hESCに対する現在使用中の培地の比率を少しずつ変える方法も選択できます。繰り返しになりますが、馴化は必須ではありません。平坦化などの形態の変化がみられる場合がありますが、これは心配ありません。他社の培地と比べて培養の外見に若干の違いはみられるかもしれませんが、培養細胞の多能性は維持されます。

11. 馴化中に分化がみられた場合、どうすればよいですか

ある程度の分化は予想されますので、分化したコロニーを剥がし取るか、新たにコーティングした細胞培養ディッシュに分化していないコロニーを採取して取っておく必要があります。

12. 私の細胞培養はPeproGrowTM hESCで変化しますか

一部の細胞コロニーの形態に変化が生じる可能性があります。また、いずれのプロトコル(迅速プロトコルまたは馴化プロトコル)を用いた場合でも、培地切り替えの際にある程度の分化がみられる可能性があります。これは想定できないことではありませんので、細胞を洗浄して3回まで継代し、反応が不良のコロニーを選び出すことが必要です。推奨プロトコルについては、PeproGrowTM hESCの取扱説明書をご覧ください。

13. 私の細胞培養はPeproGrowTM hESCでどのように変化しますか

変化を正確に予測することはできませんが、当社では馴化培養液では継代の際にコロニーの弾性がさらに高まることを確認しています。コロニーの弾性をさらに高めるための継代方法に関する詳細情報は、PeproGrowTM hESCの取扱説明書に記載されています。コロニーの質感に変化がみられない場合は、お客様の通常のプロトコルを用いて継続してください。

14. 酵素を用いた継代後に細胞がうまく接着しませんでしたが、なぜですか

おそらくコロニーが過剰に消化されたものと考えられますが、残った細胞は捨てないでください。一部のコロニーが接着している場合は、引き続き培養液に栄養源を供給してください。一部の細胞は4~6日後に盛んに増殖するため、2~4個のコロニーから培養を維持することが可能です。また、過剰な消化を回避するために、非酵素継代法の使用を考えてみるのもよいでしょう。

15. 酵素を用いた継代後に細胞がうまく接着しなかった場合、培養に試薬を添加してもよいですか

2~10µM(2µMが望ましい)のY-27632(ROCK阻害剤)を添加すると、酵素(ディスパーゼまたはAccutaseTM)を使用した継代では細胞の生存と接着が向上することが明らかになっています。Y-27632を増量すると、可逆性が確認されている形態変化の他、神経分化も生じることが明らかになっています。

16. 細胞の継代に関するその他の推奨事項はありますか

その他の推奨事項は下記のとおりですが、PeproGrowTM hESCの取扱説明書もあわせてご覧ください。
• 継代法で最も難しい部分は適切なタイミングを図ることです。ディスパーゼによるコロニーの過剰な消化を避けることは極めて重要ですが、その理由は、コロニーの過剰な消化によってコロニーが接着しなくなったり、接着後にコロニーが崩壊したりするためです。
• おそらく5~7日後には、継代には十分な大きさのコロニーが形成されると思われます。
• ある程度の細胞死は正常の範囲内です。ディスパーゼを用いた継代では、ある程度の割合の細胞が接着しなくなると予測されますが、生存率が50%を切った場合は、細胞の継代が過酷であったということになります。PBS/EDTA を使用する場合はディスパーゼよりは穏やかな方法となりますので、細胞の継代が正しく行われれば回復性は高くなります。

17. 細胞の継代のタイミングについて他に推奨事項はありますか

継代のタイミングは非常に重要です。継代の時期が早すぎると、コロニーが小さくなりすぎ、継代に耐えられなくなるため、細胞がうまくディッシュ培養面を覆いません。また、コラーゲナーゼへの過剰な曝露を避けることも重要です。PeproTech社はディスパーゼまたはPBS/EDTAを推奨します。5分あれば最適な状態になりますが、どちらの方法も3分後の時点で細胞を観察し、5分が必要かどうかを判断してください。

18. 細胞密度はコロニーの増殖にどのように影響しますか

細胞の密度が低すぎたり高すぎたりすると、分化が生じる可能性があります。スプリット比率が高すぎる場合、細胞には生存率を高められるほどの十分な自己分泌因子が存在しないため、多くの細胞が死亡したり分化したりします。コンフルエントに近い状態の培養ディッシュから開始し、ディスパーゼ使用時はスプリット比率として1:6、1:12または1:18を、PBS/EDTA使用時は1:6、1:12、1:18または1:24を試すことを推奨します。必要であればさらに希釈してもかまいません。PeproTech社は、低い細胞播種密度においてディスパーゼを使用する際にはY-27632の添加を推奨しますが、PBS/EDTAを使用する際はその必要はありません。

19. 間隔は細胞密度にどのように影響しますか

間隔の決定は任意です。PeproTech社は、細胞を播種する際には、ウェル(6ウェルディッシュのみ)の縁の周りに細胞を置き、その後ディッシュを前後に静かに動かして混合させることを推奨します。その他のサイズのディッシュでは、細胞を添加する際にピペットを動かして細胞を分散させてください。

20. 細胞への栄養源の供給に関して、何か推奨事項はありますか

週末にかけて2倍量の栄養源を1回分として供給する場合を除き、細胞には毎日栄養源を供給してください。

21. 細胞培養ディッシュのコーティングに推奨されるMatrigel®(Corning社)以外のマトリックスを使用してもよいですか

はい。PeproTech社ではLaminin/Entactin、Synthemax® II(ともにCorning社)、組換えヒトビトロネクチン(PeproTech社)を含めその他のコーティング試薬を試しました。Laminin/Entactinでは、標準的なプラスチック製細胞培養ディッシュでMatrigel®とほぼ同じ増殖がみられました。ヒトビトロネクチンと Synthemax® IIでは、因子を最適に結合させるため、CellBIND®(Corning社)またはそれと同等のプラスチック製細胞培養ディッシュを推奨します。この方法では、コロニーの広がりが少なく、接着性もわずかに弱かったため、さらに時間をかけてY-27632を添加する必要があると思われます。

動物由来成分不含培地添加剤キット

22. 化学的組成が明らかな無血清培地とは何ですか

化学的組成が明らかな培地は、分子の構造と濃度が明らかになっている成分のみ含有しています。

23. PeproTechの動物由来成分不含培地添加剤キットPeproGrow-1にはタンパク質は使用されていますか

いいえ。当社の動物由来成分不含培地添加剤キットには、動物由来成分が使用されていないばかりでなく、タンパク質も使用されていません。

24. 化学的組成が明らかな無血清培地を使用することの利点は何ですか

次のような利点があります:「ロット間の変動が減り、細胞増殖の再現性が高い」、「血清を添加した場合と比べてタンパク質収量が高い(タンパク質産生アプリケーションの場合)」、「一定した性能の培地が得られる」、「ウイルスや他の感染物質による汚染リスクを低減できる」、「ダウンストリーム精製の困難が軽減される(タンパク質産生アプリケーションの場合)」、「血清ロットの事前スクリーニングの必要がなくなる」、「規制要件や他の添付書類要件が簡素化される」。

25. PeproGrow-1に関して動物由来成分不含の証明書は提供していますか

はい。弊社企画開発課までお問合せください。

26. PeproGrow-1の組成をどこで見ることができますか

PeproTech社では本キットの組成を開示しておりません。

27. DMEM/F12培地の代わりにDMEM培地を使用することはできますか

DMEM/F12培地は、DMEM培地の半分量と F12培地の半分量を混合したものであるため、DMEM培地のみと比べて栄養価が大幅に高くなっています。PeproTech社では現時点ではDMEM培地の試験は行っていません。そのため、PeproGrow-1はDMEM/F12培地に使用することを推奨します。

抗体

28. エンドトキシン試験を行っていますか

LALカイネティック法で抗体のエンドトキシン試験を行っています。詳しい情報は弊社企画開発課までお問合せください。

29. ポリクローナル抗体のアイソタイプは何ですか

PeproTech社が製造するポリクローナル抗体はIgG抗体です。

30. どのように精製していますか

すべてのポリクローナル抗体とビオチン化ポリクローナル抗体に対して、抗原親和性精製を行っています。モノクローナル抗体の精製法は製品毎に違いますので、詳しい情報は弊社企画開発課までお問合せください。

31. 抗体が結合するエピトープについて教えてください

PeproTech社は現時点ではエピトープマッピングを実施していません。一般的な指針として、モノクローナル抗体は標的タンパク質の特定のエピトープに結合しますが、ポリクローナル抗体の場合は様々な抗体分子種の混合物となるため、複数のエピトープに結合します。

32. 中和試験を行っていますか

中和試験は抗体毎にロットベースで実施しています。中和試験の結果は製品の該当データシートに記載されています。

33. ELISA法やウェスタンブロット法での使用に適していますか

PeproTech社の抗体はELISA法やウェスタンブロット法での使用に適しています。これらの用途に関する詳しい情報は、ELISAとウェスタンブロット法のそれぞれのFAQをご覧ください。

34. 抗体製品の安定性についてどのような情報を知っておくべきでしょうか

PeproTech社の抗体はPBSから調製されている凍結乾燥品です。そのため、室温で少なくとも1ヵ月間は安定しています。1ヵ月を超える場合には、凍結乾燥品は-20℃~-80℃で保存することを推奨します。調製後の抗体溶液は、4℃での短期保存を推奨します。長期保存する場合には、まず抗体溶液を分注し(凍結融解サイクルを2回以上繰り返さないため)、-20℃~-80℃で凍結保存してください。この抗体溶液の凍結アリコートは、-20℃~-80℃で保存すれば少なくとも6ヵ月間は安定しています。

35. キャリアタンパク質や他の添加物を含有していますか

いいえ。PeproTech社では、ポリクローナル抗体、ビオチン化ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体に添加物やキャリアタンパク質は使用していません。

36. 免疫組織化学や免疫細胞化学に役立ちますか

現在までに試験済みのどの抗体もこれらの用途に適していることが明らかになっています。詳しい情報は弊社企画開発課までお問合せください。

37. 他社が販売している標的タンパク質を認識しますか

PeproTech社の抗体製品は、天然型あるいは組換え型、またはその両方のタンパク質に対して高い結合親和性を示します。しかし、他社のタンパク質のなかには時として真正性が欠けることもあるため、当社の抗体がこれらのタンパク質で同じような優れた性能を発揮するということは保証できません。

38. 血液や血清などの複合体液中の標的タンパク質を認識しますか

はい。ただし、妨害物質含有量が高い試料では、認識の効率が低下して、バックグラウンドが高くなったりシグナル/ノイズ比が低下したりする可能性があります。

ELISA

39. ELISA Development Kit(EDK)に含まれているHRP複合体の安定性は

ABTS EDKに含まれているアビジン-HRPは、2~8℃で最長1ヵ月間、-20℃で最長2年間安定しています。TMB EDKに含まれているストレプトアビジン-HRPは、2~8℃で少なくとも6ヵ月間安定しています。

40. キットの交差反応性についての情報はどのように入手することができますか

PeproTech社ではEDKの交差反応性試験を社内で実施しています。この試験で得られた結果はキットのデータシートに記載されています。

41. ELISAプロトコルの中で週末の間に残しておくことのできる手順はありますか?

プレートは、金曜日に捕捉抗体でコーティングし、週末の間は4℃を保ち、月曜日に再開してもかまいません。注:インキュベーション時間を変更すると、プレート間の結果にバラツキが生じるおそれがあります。

42. EDKはすべての種類の試料で使用するのに適していますか

PeproTech社は利用可能な各マトリックスですべてのキットを試験したわけではありませんが、血清、血漿、細胞培養上清、尿、唾液等のマトリックスなどでの使用には適していると思われます。

43. 反応を停止させるために反応停止液は必要ですか

ABTS EDK(アビジン-HRP+ABTS)には反応停止液は必要ありません。信頼性の高い標準曲線は一般に、O.D.読み取り値がゼロ標準濃度の場合には0.2単位、または最高標準濃度の場合には1.2単位を超えないときに得られます。反応停止液を希望する場合には、1% ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を使用して反応を停止させてもかまいません。文献からは SDSがABTSに対する最適な反応停止液であることが示されていますが、PeproTech社のラボでは反応停止液を使用していません。一方で、TMB EDK(ストレプトアビジン-HRP+TMB)には反応停止液(1M HCl)の使用を推奨します。

44. TMB EDKでは推奨される補正波長620nmに加えて、他の波長は使用できますか

TMB EDKでは、540nm、570nmまたは650nmを補正波長として使用できます。

45. ABTS EDKにTMBを使用することはできますか

PeproTech社のABTS EDKは、ABTSを使用して最適化されているため、この基質と一緒に使用するのが最も好ましいと思われます。しかし、このキットは、幾つか調整を行った後であればTMBと一緒に使用することもできます。
• キットに含まれているアビジン-HRP はTMBと一緒に使用することができません。ストレプトアビジン-HRPを別途購入する必要があります。
• ストレプトアビジン-HRP希釈液を最適化する必要があります。
• ストレプトアビジン-HRPとTMBを一緒に使用する場合には一般に、反応停止液が必要です。製造元のデータシートをご参照ください。
• 反応停止液添加前のTMB反応時間を最適化する必要があります。
• プレートは、推奨プレートを使用する場合には450nm(620nmで補正)で読み取りを行ってください。

46. D-マンニトールをEDKの構成品に添加している理由は何ですか

D-マンニトールをEDKの構成品に添加しているのは、バイアル内のタンパク質/抗体の可視化に役立つためです。D-マンニトールはELISAの結果には影響しません。

47. EDKデータシート上の曲線を自分の標準曲線として使用することはできますか

標準曲線はELISAプレート毎に作成しなくてはなりません。つまり、あるプレートから得られた曲線を別のプレートに使用することはできません。PeproTech社がEDKデータシート上で提供している曲線は、PeproTech社のラボで得られたものですが、あくまで実証用として使用しています。

48. 標準曲線をどのように作成していますか

PeproTech社のラボでELISAを実施する場合は、MolecularDevices社のプレートリーダーおよびSoftMax® Proソフトウェアを使用しています。このプログラムは、受け取った値から4-パラメータの曲線を作成します。プログラムが使用する等式は次のとおりです。

<4-Pフィッティング>

x = 濃度(pg/mL)
y = O.D.(405nm – 650nm)
A、B、C、D は4つのパラメータに対応 *
* パラメータに関する詳しい情報は弊社企画開発課までお問合せください。

ウェスタントランスファー法(ウェスタンブロット法)

49. PeproTechのウェスタントランスファー法プロトコルに従った場合、免疫染色の所要時間はどのくらいになりますか

ウェスタントランスファー法のプロセスには、タンパク質の転写からバンドの可視化まで約6時間を要します。

50. どの種類の分子量マーカーを使用すべきですか

PeproTech社では、Novex® Sharp Protein Standardを社内で実施するすべてのウェスタントランスファー法に使用しています。ただし、この分子量マーカーを使用しなくてはならないということではありません。しかし、ECL検出法を用いない場合には、着色済み分子量マーカーを使用する必要があります。

51. ウェスタントランスファーで陽性コントロールの添加は必要ですか

はい。ウェスタントランスファーで目的のタンパク質をどのように可視化されるのかを正確に知るためには、ゲルに陽性コントロールを添加しなくてはなりません。ウェスタントランスファー法に当社の抗体を使用する場合には、その抗体に対する免疫抗原である当社の組換えタンパク質の使用を推奨します。

52. PeproTech社のウェスタントランスファー法プロトコルで推奨さている発色システムを使用しなくてはならないのでしょうか

いいえ。ウェスタントランスファーの可視化に使用できる数多くのいろいろな発色システムがあります。ただし、酵素標識抗体の使用に対応した発色システムを選択しなくてはなりません。PeproTech社では、アルカリホスファターゼ標識二次抗体を使用しています。NBT/BCIPは、この酵素との使用に適しているため、PeproTech社のウェスタントランスファーの可視化に使用しています。

53. インキュベーション中には膜の攪拌は不可欠ですか

はい。インキュベーション中に膜を攪拌することが不可欠です。膜を攪拌しないと、抗体、ブロッキングバッファーおよび洗浄バッファーが膜に均等に作用しない可能性があるため、バックグラウンドにシミや斑点が生じるおそれがあります。また、抗体によるタンパク質の検出も制限される可能性があります。

54. 同一の抗体の異なるロットを使用した場合にウェスタントランスファー法の結果に差が生じるのはなぜでしょうか

ポリクローナル抗体の性質上、ロット間変動が生じる可能性があるためです。

55. タンパク質の転写ステップでブロッティングペーパーは必要でしょうか

はい。タンパク質の転写ステップで障壁としてブロッティングペーパーを挟む必要があります。このブロッティングペーパーは、ゲルおよび膜がスポンジと直接接触することによって生じうる損傷を防ぐのに有用ですが、電流を妨害することはありません。

56. ウェスタントランスファー法では一次/二次抗体系でなく酵素標識一次抗体を使用することはできますか

はい。ウェスタントランスファー法を行うとき、一次/二次抗体系を使用する代わりに酵素標識一次抗体を使用することができます。しかし、抗原特異的な一次抗体を認識する標識二次抗体を使用すると、ウェスタントランスファー法で検出されるシグナルが酵素標識一次抗体のみを使用した場合と比べて増強されます。

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