株式会社 免疫生物研究所

グルカゴン(Glucagon)は、膵臓α細胞から分泌される、29アミノ酸残基からなる分子量3,485のペプチドホルモンです。生体ではグルカゴンは肝臓に作用し、グリコーゲン分解と糖新生によるグルコースの産生および放出を促進し、血糖の上昇に働くことでインスリン(Insulin)とともにグルコースホメオスタシスの制御に重要な役割を担っています。グルカゴン研究においては、その前駆体であるプログルカゴンは、産生される細胞により異なるプロセシングを受け、種々の類縁ペプチドを生じる為、これらのペプチドに交差反応の少ないより正確な測定系の確立が求められてきました。

この度、IBL社は群馬大学 生体調節研究所 代謝シグナル研究展開センター教授 北村 忠弘先生との共同開発により、グルカゴンのC末、N末切断端を検出する抗体の取得に成功し、本因子のヒト血漿中の正確な測定に求められる感度・特異性に優れた測定系を実現しました。

グルカゴン アッセイキット

インスリンからグルカゴンへ 加速するグルカゴン研究に

近年、グルカゴンアゴニストが肥満、糖尿病を改善する可能性が報告され注目されています。この様な中、血中のグルカゴン濃度の正確な定量は、患者ごとの個別の病態とのグルカゴンの関連を把握する目的でも重要となっています。一方、グルカゴンは同様に前駆体であるプログルカゴンから代謝・分泌される共通のアミノ酸配列を有する複数のペプチドが生体に存在し、血中の濃度もpmolレベルと低濃度であることから、より正確な測定が課題となっていました。研究グループはLC-HRMSのグルカゴン測定系を構築し、さらに簡便に測定する方法として新規のサンドイッチELISAを開発しました。

Glucagon Assay Kit – IBL

製品概要

使用用途研究用試薬
測定方法ELISA
測定対象ヒト
対象検体EDTA血漿
測定範囲0.31~20 pmol/L
感度0.05 pmol/L
特異性
(交差率)
Oxyntomodulin 0.06%
Glicentin(1-61) 0.05%
Glicentin(1-69) <0.01%

Glucagon(3-29) <0.01%
Mini-glucagon <0.01%
GLP-1(7-36)amide 0.01%
GLP-1(9-36)amide 0.01%
GLP-2 <0.01%
GIP(1-42) <0.01%
GIP(3-42) <0.01%
備考検体採取は、Glucagon専用の採取容器のご使用を推奨します。
例:BD® P800 GLP-1, GIP, Glucagon, Ghrelin保存用真空採血管, 日本ベクトン・ディッキンソン(株)
Glucagon Assay Kit - IBL
詳細メーカー製品番号製品名容量価格在庫情報保存温度法規制
免疫生物研究所(IBL)27797Glucagon Assay Kit - IBL96WELL¥90,000問合せ冷蔵
キャンペーン期間 -
提供形態 -
CAS RN® -
標識 -
タグ -
動物種 -
免疫動物/宿主 -
交差種 -
適用 -
クローン名 -
製品名製品番号測定範囲検出対象測定対象製品情報関連資料
血清EDTA-血漿尿培養上清
Glucagon Assay Kit - IBL277970.31 ~ 20 pmol/Lヒト-
2倍以上希釈
--96 well データシート

※ 診断や医療目的に用いることはできません。
※ 掲載のデータシートは見本です。ご使用の際には物品同梱のデータシートをご確認ください。

参考文献

  1. Kobayashi M et al. A newly developed glucagon sandwich ELISA is useful for more accurate glucagon evaluation than the currently used sandwich ELISA in subjects with elevated plasma proglucagon-derived peptide levels.
    J Diabetes Investig. 2023 Feb 2. doi: 10.1111/jdi.13986.

抗グルカゴン モノクローナル抗体

Anti-Glucagon (52A1A) Rat IgG MoAb

グルカゴンの前駆体であるプログルカゴンは、産生される細胞により異なるプロセシングを受けるため、種々の類縁ペプチドを生じます。本抗体はグルカゴンのC端を認識し、α細胞で産生されるグルカゴンを特異的に検出します。

製品概要

使用用途研究用試薬
アプリケーションIHC
検出対象ヒト、マウス
免疫抗原Proglucagon (76-81) 部分合成ペプチド (QWLMNT)
クローン名52A1A
サブクラスIgG2a
特異性
Glucagon C端と特異的に反応します。
備考商業製品の原料としてお求めの場合、別途ご相談ください。
詳細メーカー製品番号製品名容量価格在庫情報保存温度法規制
免疫生物研究所(IBL)10505Anti-Glucagon (52A1A) Rat IgG MoAb5UG¥17,000問合せ冷蔵
キャンペーン期間 -
提供形態 -
CAS RN® -
標識 -
タグ -
動物種 -
免疫動物/宿主 -
交差種 -
適用 -
クローン名 -
免疫生物研究所(IBL)10505Anti-Glucagon (52A1A) Rat IgG MoAb50UG¥64,000問合せ冷蔵
キャンペーン期間 -
提供形態 -
CAS RN® -
標識 -
タグ -
動物種 -
免疫動物/宿主 -
交差種 -
適用 -
クローン名 -
製品名製品番号検出対象適用製品情報関連資料
Anti-Glucagon (52A1A) Rat IgG MoAb10505ヒト、マウス免疫染色 0.1 μg/mL(パラフィン切片、凍結切片)5 μg データシート
50 μg

※ Glucagon C端と特異的に反応します。

参考文献

  1. Honzawa N et al. Protein Kinase C (Pkc)-δ Mediates Arginine-Induced Glucagon Secretion in Pancreatic α-Cells.
    International Journal of Molecular Sciences. 2022; 23(7):4003.

関連情報

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