Quidel社 補体・骨代謝 研究用試薬
1979年に発足しカリフォルニア・サンディエゴに本社を置く、ヘルスケア試薬の製造メーカーです。 1984年に最初の製品を発売して以来、新製品の導入を加速するため、研究開発の強化に焦点を当て、社内開発および企業買収を通じて製品ラインアップを拡大しております。 同社はがん、骨代謝および炎症に関するユニークな研究用試薬を製造・提供をしており、MicroVue™ ブランドは世界中の研究者に支持されております。また、2016年3月にカリフォルニア・サンクラメンテに本拠を置き、骨代謝に特化した試薬を提供する Immutopics社を買収したことで、より多くの研究者のニーズを満たす製品ラインアップを確立しました。同社の自己免疫・補体、骨代謝、腎研究に特化した製品群はMicroVue™ブランドのもと、世界50カ国以上の国々で使用されております。また、ISO13485:2003を取得し、ラージスケールの製造に対応した世界基準のELISA製造テクノロジーは、多くの研究者に適した製品を迅速に届けることを可能とし、世界中の研究者の研究をサポートします。
補体
補体系には補体活性化経路である古典経路・第二経路・レクチン経路の3つの経路およびこれらの収束する終末経路の4つの経路が存在し、組織化された30種類以上のタンパク質より構成されます。補体は活性化されることにより、炎症反応から免疫複合体の除去、細胞膜の破壊、免疫反応の調節まで様々な反応を仲介します。補体カスケードの欠陥はオプソニン化の無効化や侵襲細菌の溶解能力の欠損を招き、感染症に罹りやすくなります。一方、過剰な活性化は時として生体に対し傷害的に働き、虚血再灌流傷害なような組織損傷を引き起こします。補体タンパク質およびタンパク質断片はまた、関節リウマチやSLEおよび急性糸球体腎炎などの自己免疫疾患においても関与していると考えられております。
骨代謝
繊維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor: FGF)23は骨代謝の過程で骨細胞から分泌されるホルモンであり、腎臓においてリン利尿を促進するとともに、活性型ビタミンDの産生を抑制することで小腸からのリン吸収を抑制します。通常ビタミンDは小腸からのカルシウムおよびリン吸収を促進しますが、FGF-23の機能により抑制されることで低カルシウム血症状態になります。そこで、副甲状腺ホルモンであるPTHが分泌され骨細胞からカルシウムおよびリンを動員し、高カルシウム・高リン状態を誘導します。このように小腸・腎臓・骨・副甲状腺とビタミンD・FGF-23・PTHの密接な関係により、リンと骨代謝の恒常性は保たれております。しかし、ひと度このバランスが崩れることにより、高リン血症や二次性副甲状腺機能亢進症などのリスクが高まることが知られております。