アルギン酸ゲルを用いた3次元培養キット!
細胞の封入およびゲルからの分離が簡単にできます

アルギン酸三次元培養キット

製品の特徴

  • がん細胞や軟骨細胞などの足場非依存性の増殖が観察でき、軟寒天培養の代替となります。
  • 細胞のゲル内への封入および培養後のゲルからの分離が簡単にできます。

がん細胞などの形質転換細胞は、正常細胞と異なり足場非依存性の増殖能を有します。 また、軟骨細胞などの一部の正常細胞においても足場非依存性の増殖が認められ、単層培養に比較して分化形質の発現が強いことが知られています。

この足場非依存性の増殖を検出する方法として軟寒天培養法が古くから使用されていますが、寒天は冷却されると凝固するため培養時の扱いが難しく、 培養後に細胞を回収する際にも特殊な試薬が必要なため、細胞の機能解析には不適切な面があります。

一方、同じ海藻由来のアルギン酸は、カルシウムの存在下でゲル化し、しかも、キレート剤の添加で溶液となります。 このように培養した細胞のみを容易に回収できるため、細胞の三次元培養に使用されています。

キットの構成

  • アルギン酸ナトリウム溶液(25 mL、滅菌済)
  • 塩化カルシウム溶液(100 mLx2本、滅菌済)
  • クエン酸ナトリウム溶液 (100 mL、滅菌済)
  • ゾンデ(4本、滅菌済)
  • 24 wellプレート(浮遊培養用)(4枚、滅菌済)

(別途、22 G注射針、5 mLシリンジ、生理食塩液をご用意ください)

アルギン酸ゲル(ビーズ)培養法

  1. 付属の24 wellプレートの各wellに塩化カルシウム溶液を添加する。
  2. 細胞を準備し、細胞ペレットにアルギン酸ナトリウム溶液を添加して均一な細胞浮遊液にする。
  3. ゾンデを用い細胞浮遊液を5 mLシリンジ内に回収し、22 G注射針を取り付ける。
  4. 細胞浮遊液を含むシリンジを24 well上に垂直にして持ち、各wellに滴下(10滴/well)する。
  5. 室温で10分間放置し、ゲル化させる。
  6. 生理食塩液および培地でアルギン酸ビーズを洗浄する。
  7. 培地を添加し、評価する薬剤等を加え培養を開始する。
  8. 適宜、数日おきに培地交換を行い、コロニーが形成されるまで培養する。 培地の交換は、ピペットの先をwellの底に当て少し斜めにして培地をゆっくり吸引し、新鮮培地を添加する。
アルギン酸ビーズ培養法

アルギン酸ビーズから細胞の回収方法

  1. 全てのwell中の培地を除去する。
  2. クエン酸ナトリウム溶液を各wellに添加、室温で攪拌してアルギン酸を溶解する*。
  3. 溶解液を1.5 mLチューブに回収し、遠心する。
  4. 上清を除去し、細胞のペレットを回収する。

* 一部のwellのみを回収する場合は、回収するwellのアルギン酸ビーズを1.5 mLチューブに移し、クエン酸ナトリウム溶液を各チューブに添加してアルギン酸を溶解する。

注意事項

軟寒天培養と同様に、細胞種によってはアルギン酸ゲルによる三次元培養が出来ない場合があります。
本品は研究用試薬であり、医薬品その他の目的にはご使用になれません。

引用文献および参考データ

  • Chemotherapy screening assay using 3-dimensional cell culture. Cancer Lett, 51,11-16, 1990.
  • Expression of a stable articular cartilage phenotype without evidence of hypertrophy by adult human articular chondrocytes in vitro. J Orthop Res. 16, 207-216, 1998.
アルギン酸ビーズでの培養と評価

製品ラインアップ

製品番号製品名製品情報関連資料
ABC-KITアルギン酸三次元培養キット(24 wellプレート、4回分)1 Kit データシート

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本ページに掲載の商品は全て研究用試薬です。研究目的以外の用途にはご使用できません。また、個人の方への販売は行っておりません。