Chondrex社に関するFAQs

1. コラーゲンに関して

2. 関節炎モデルに関して

3. コラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルについて

4. コラーゲン抗体誘導関節炎(CAIA)モデルについて

1. コラーゲンに関して

1-1. 各グレードのコラーゲンの違いは何ですか

Chondrex社ではコラーゲンの精製度に応じて、免疫グレードコラーゲン、細胞培養グレードコラーゲン、ELISAグレードコラーゲン、T細胞グレードコラーゲンの4種類のコラーゲン、およびII型コラーゲンの分解物であるCBペプチドフラグメントを提供しています。

・免疫グレードコラーゲン
ペプシン可溶化、塩析およびDEAEセルロースクロマトグラフィーで精製されたアテロコラーゲンです。ほとんどが単量体のコラーゲンで高純度ですが、わずかに高分子のコラーゲンが含まれています。

エンドトキシンレベル≦1 EU/mL
純度:>90~99%(SDS-PAGE)
アプリケーション:In vivo (関節炎の誘発、抗体産生)、組織工学、細胞培養
提供タイプ:I型、II型、III型、IV型、V型、IX型、XI型
動物種:ウシ、イヌ、ニワトリ、ヤギ、ヒト、マウス、ブタ、ウサギ、ラット、ヒツジ

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・細胞培養グレードコラーゲン
皮膚組織由来のネイティブI型コラーゲンです。他のグレードのコラーゲンに比べ、皮膚の細胞外マトリックス(ECM)のコラーゲンに近い構造を有しております。また、細胞接着と成長を促進するために少量の皮膚ECM成分も含まれています。他のグレードよりも純度がやや劣りますが、2Dおよび2D細胞培養の足場としての利用に適しています。モノマー(トロポコラーゲン)とポリマー(原線維)コラーゲンの両方が含まれています。

純度:>95%(SDS-PAGE)
アプリケーション:2D、3D細胞培養足場
提供タイプ:I型
動物種:ウシ、ラット

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・ELISAグレードコラーゲン
さまざまな組織に由来するペプシン可溶化のアテロコラーゲンです。高分子コラーゲンは同一エピトープを認識する抗体に複数の結合部位を提供してしまうため、同じ抗体価でも発色に差が出る結果が得られます。そのため単量体のコラーゲンのみを含むように精製しています。

純度:>99%(SDS-PAGE)
アプリケーション:ELISA抗原
提供タイプ:I型、II型、III型
動物種:ウシ、ニワトリ、ヒト、サル、マウス、ブタ、ラット

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・T細胞グレードコラーゲン
さまざまな組織に由来する熱変性コラーゲンで、単量体のみを含みます。T細胞はコラーゲンの立体構造ではなくアミノ酸配列を認識するため、熱変性処理をしています。コラーゲンの可溶化に一般的に用いられるペプシンは抗原性が高く、コラーゲンへの混入は擬陽性を示すこととなります。そのためペプシンを完全に除去するためにイオン交換カラム精製をしています。

純度:>90~99%(SDS-PAGE)
アプリケーション:T細胞アッセイ、In vivo抗原
提供タイプ:I型、II型
動物種:ウシ、ニワトリ、ヒト、サル、マウス、ブタ、ラット

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・CBペプチドフラグメント
臭化シアンによって切断されたII型コラーゲンのペプチド断片で、単量体のみを含みます。フラグメントは段階的な冷却によって三重らせん構造に再構成され、抗体アッセイの抗原として使用可能です。T細胞アッセイに使用する場合は、T細胞は変性ペプチドのみを認識するため、熱変性処理をする必要があります。

純度:>95%(SDS-PAGE)
アプリケーション:T細胞アッセイ、ELISA抗原
提供タイプ:II型
動物種:ウシ、ニワトリ、マウス

1-2. コラーゲンの溶解方法を教えてください

凍結乾燥されたコラーゲンは1 mg/ml~4 mg/mlの濃度で0.05M酢酸を使用して溶解することができます。中性緩衝液に溶解する場合には、先ず0.01Mまたは0.05M酢酸を使用してコラーゲンを1 mg/ml~4 mg/mlで溶解し、2~10X Tris-NaCl溶液で希釈、あるいは4℃で1X中性緩衝液を使用して透析して酢酸を除いてください。

2. 関節炎モデルに関して

2-1. コラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルとコラーゲン抗体誘導関節炎(CAIA)モデルの違いは何ですか

CIAは古くから使用されている関節炎動物モデルであり、軟骨の成分であるII型コラーゲンをアジュバントとともに免疫することで関節炎が誘導されます。CIAがII型コラーゲンの投与により誘導される自己抗体により惹起されるのに対し、CAIAでは抗コラーゲン抗体カクテルの単独投与、もしくは、LPSとの組み合わせによって類似の関節炎が発症します。CIAは免疫後、関節炎惹起までに約4週間必要ですが、CAIAはCIAにおける抗体の産生過程をスキップするため、抗体投与後24~48時間以内に重篤な関節炎を惹起します。また、CAIAは発症する系統とそうではない系統があるCIAとは異なり、限定されたMHCハプロタイプを要求せず、トランスジェニックマウス、ノックアウトマウス、T細胞欠損マウスおよびCIA抵抗性マウスなどを含む多くの系統のマウスに関節炎を惹起することができます。CAIAの特徴と利点につきましてはこちらをご確認ください。

2-2. スコアの付け方を教えてください

Chondrex社では1肢4点の最高16点でのスコアリングを推奨しています。詳しくはこちらをご確認ください。

3. コラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルについて

3-1. 使用するマウスの販売業者について推奨はありますか

マウスは同じ系統内でも細かい遺伝的背景と細菌叢が動物販売業者ごとに異なっています。これらの違いはマウスの免疫反応に影響を与え、さらには実験結果に影響を与えます。Chondrex社では本実験に進む前に同一プロトコルで異なる動物販売業者の動物をテストし、発症率と重症度を確認することを推奨しています。

3-2. 飼育環境と飼料について考慮する点は何ですか

Chondrex社では細菌やウイルスの感染によって引き起こされる実験の変動を避けるために、コンベンショナル環境ではなくSPF環境で動物を飼育することを推奨しています。例えば、マウス肝炎ウイルス(MHV)に感染したマウスはコラーゲン誘導関節炎(CIA)を発症しません。また、関節炎の発症率と重症度は、市販のげっ歯類固形飼料により異なることがあります。最高の発症率は、高脂肪食を与えられたマウスで観察されています。(Purina Mouse Chow 5015)

3-3. マウスの週令と系統の推奨はありますか

マウスは少なくとも7-8週令で成熟した免疫システムを備えるようになります。老化したマウスは発症率と重症度が低い場合があります。コラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルに対する感受性は免疫に関与するMHCクラスII分子によるII型コラーゲンに対する反応性に関連しています。DBA/1 (H-2q)とB10.RIII (H-2r)マウスはCIAに高感受性です。DBA/1マウスはニワトリ、ウシ、ブタのII型コラーゲンに反応します。B10.RIIIマウスはウシおよびブタのII型コラーゲンには反応しますがニワトリのII型コラーゲンには反応しません。DBA/1 (H-2q)マウスとB10.RIII (H-2r)マウスはマウスII型コラーゲンにはほとんど反応しません。マウスII型コラーゲンでの広範囲にわたる免疫後でもCIAの発症率は非常に低い(およそ10%)です。一方、一部のCIA耐性マウス系統は関節炎誘発性抗体を産生することができ、CIAはMHCタイプのみによって制限されていないことを示唆しています。例えばINF-gまたはIL-10ノックアウトCIA耐性C57BL/6、129/Sv(H-2b)およびBalb/c(H-2d)マウスをCIAに用いると、II型コラーゲンに対する自己抗体を産生し、関節炎を発症します。これは関節炎に対する感受性がサイトカインによって高度に調節されていることを示しています。CIAおよびコラーゲン抗体誘発関節炎(CAIA)に汎用されるマウス系統のリストをご確認ください。

マウス系統リスト

3-4. アジュバントの選択で注意するべき点はありますか

高品質なM. tuberculosisで構成される完全フロイントアジュバント(CFA)は強力な免疫応答を誘発するため、マウスに重度の関節炎を誘発するためには不可欠となります。ラットとは異なり、マウスは不完全フロイントアジュバント(IFA)で乳化したII型コラーゲンで免疫をしても関節炎の発症は見られません。マウスで関節炎を誘発するためには、強い抗体反応と正しい抗体のサブタイプが重要です。抗体産生はCFA中のM. tuberculosisの濃度に依存しており、関節炎を誘発するための必須ステップである補体を活性化するには、十分な抗コラーゲンIgG2aおよびIgG2bサブタイプの誘導が必要となります。実際に、キャンベル*らは5 mg/mlのM. tuberculosisを含むCFAを使用して、C57BL/6、B10、129/Svマウス(H-2b)などのCIA耐性マウス系統において高い発症率(50%~70%)で関節炎を誘発することに成功したと報告しています。ただし、高濃度のM. tuberculosisは重度の炎症を引き起こすため、適切なCFA量について動物愛護の点からの配慮も必要になります。Chondrex社が提供するアジュバントにつきましてはこちらを確認ください。
*I. K. Campbell, et al. Eur J Immunol 30:1568-1575, 2000.

3-5. コラーゲンの選択で注意するべき点はありますか

コラーゲン誘導関節炎(CIA)モデル作製においては、用いる実験動物の選択と同様にII型コラーゲンの品質も重要です。コラーゲンの脱グリコシル化と変性は関節炎誘発性に影響する可能性があり、高純度のネイティブII型コラーゲンを使用する必要があります。また、げっ歯類のCIA感受性は動物のMHCクラスII分子に関係し、さらに免疫に用いるII型コラーゲンの種類にも依存しています。例えば、DBA/1マウスはニワトリまたはウシのII型コラーゲンに強く反応するのに対し、C57BL/6マウスはニワトリのII型コラーゲンに強く反応します。Chondrex社ではマウスの系統に応じてCIAモデル用の免疫グレードII型コラーゲンを提供しています。

3-6. エマルション作製で注意するべき点はありますか

エマルションの品質は高い発症率と重症度で関節炎を誘発するために重要です。エマルションは様々な方法を使用して作製することができますが、シリンジを2つ繋げた手動でのエマルション作製および超音波を用いた方法は、作製されたエマルションが不安定であり、関節炎を効率よく誘発しないため推奨しておりません。また、超音波処理ではコラーゲンが切断され関節炎誘発性が低下します。Chondrex社ではエマルションの作製には電気ホモジナイザーを使用した方法を強く推奨しています。また、完成したエマルションの品質確認を必ず行ってください。エマルションを水に垂らし、水面を揺らしても1滴1滴がそのまま表面に浮いている状態を確認してください。エマルションの作製方法および品質確認方法につきましてはこちらをご確認ください。詳細につきましてはガイド(英語)をご確認ください。

3-7. エマルションの投与の際の注意点はありますか

投与の際は針のベベル側を上にして、尾に平行に尾の付け根から2cmほどの所に、針先が付け根から0.5~1cmになるように挿入します。針の全体が皮下になるまで挿入し、0.1 ml(100mgコラーゲン/マウス)のエマルションを注入します。詳細につきましてはガイド(英語)をご確認ください。追加免疫注射の場合は、針の先端が付け根から1.5cmほどになるよう、尾の付け根から3cmくらいの場所より挿入します。追加免疫注射は最初の投与場所とは異なる場所に投与する必要がありますが、関節炎の発症率が低いことから背中への皮下注射は推奨していません。なお、CFAとIFAがともに腹腔と胸腔に深刻な炎症反応を引き起こす可能性があるため、腹腔内(IP)投与は推奨していません。エマルションの投与方法につきましてはこちらをご確認ください。

3-8. CIA誘発のための免疫スケジュールを教えてください

マウスの系統と実験の目的に応じて、発症率と重症率の高い関節炎を誘発する方法は複数あります。さらに、使用するマウスの系統や実験目的だけでなく、参考とする文献や使用する動物実験施設の規範に応じて最適なプロトコルを決定してください。詳しくはこちらをご確認ください。

3-9. 関節炎の評価方法を教えてください

関節炎の評価はスコアと血清分析の二つで行うことができます。
a) スコア
Chondrex社ではハンドルダイヤルシックネスゲージを使用して足の厚さを測定することで関節炎を評価しています。この方法はCIA、CAIAおよびその他の炎症モデルを含む関節炎モデルに適用できます。Chondrex社では1肢4点の最高16点でのスコアリングを推奨しています。詳しくはこちらをご確認ください。
b) 血清分析
コラーゲン関節炎(CIA)ではII型コラーゲンに対する自己抗体が関節炎惹起に重要な役割を果たしていますが、炎症カスケードの活性化の初期の重要な要素である補体の活性化能の有無により、自己抗体が必ずしも関節炎を惹起できるとは限りません。マウスの関節炎惹起には自己抗体のエピトープ特異性が重要ですが、同様に補体の活性化を引き起こすことのできるIgG2aとIgG2bサブタイプ自己抗体レベルも重要です。Chondrex社では抗体レベルを分析するための抗コラーゲン抗体キットおよび抗コラーゲン抗体IgGサブタイプ測定キットを提供しています。

4. コラーゲン抗体誘導関節炎(CAIA)モデルについて

4-1. コラーゲン抗体誘導関節炎とは何ですか

コラーゲン関節炎(CIA)はII型コラーゲンに対する自己抗体により惹起されるのに対し、マウスをコラーゲンで免疫する代わりに抗II型コラーゲンモノクローナル抗体のカクテルの単独投与、もしくは、LPSとの組み合わせによって類似の関節炎を発症させるモデルがコラーゲン抗体関節炎(CAIA)です。CAIAの特徴と利点につきましてはこちらをご確認ください。

4-2. 4クローンカクテルと5クローンカクテルの違いを教えてください

1998年にChondrex社は、II型コラーゲンのCB11フラグメント上のエピトープを認識する4種類のモノクローナル抗体を混合したArthrogen-CIA関節炎惹起用モノクローナル抗体カクテルの販売を開始しました。その後2009年にCAIAモデルの関節炎誘導を促進するために、5番目の抗体クローンを追加しArthrogen-CIA 5クローンカクテルの販売を開始しました。この改良された5クローンカクテルは、より安定した重篤な関節炎を低用量で誘発することを可能にし、さらには、C57BL/6マウスやC57BL/6 (H-2b)や129/Sv (H-2b)を背景とした遺伝子改変マウスなどの系統での関節炎誘導を可能にしました。詳しくはこちらをご確認ください。

4-3. 使用するマウスの販売業者について推奨はありますか

一般に、腸内細菌叢は、抗原やLPSなどの細菌毒素に対する宿主の免疫系に影響を及ぼし、一部のSPFマウスはLPS毒性に非常に敏感である可能性があります。 そのため使用前のマウスの飼育施設や個々の系統で、LPSのみを単独投与したLPS用量テストを実施することにより、マウスの販売業者選択および最適なLPS投与量を設定することを推奨しています。LPS投与量の設定についてはこちらをご確認ください。

4-4. マウスの週令と系統の推奨はありますか

CAIAモデルでは7~8週令(7週以上)のマウスを使用することを推奨します。2~4ヶ月齢のマウスもCAIAの感受性が高いと報告されています。CAIAは、CIA低応答あるいは耐性マウス、T細胞欠損マウス、様々な遺伝子のノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスなど、CIA感受性MHCハロタイプ(H-2qおよびH-2r)を持たない系統を含む、様々なマウスの系統で関節炎の誘導が可能です。一般に、補体活性を含む、炎症反応に関して正常であるすべての系統のマウスはCAIAの感受性が高いと考えられます。

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