コラゲナーゼ測定キットおよび試薬

迅速コラゲナーゼ活性測定キット

このキットは2種類のコラゲナーゼ活性化剤とリファレンスとして用いるリコンビナントヒト好中球プロコラゲナーゼ（MMP-8）を含むコラゲナーゼ活性を測定するために必要な試薬を同梱しています。酵素タンパク質の存在のみを検出する抗体を用いたELISAキットとは異なり、このキットは哺乳類のコラゲナーゼ活性を測定するために開発され、基質としてFITCがラベルされたウシI型コラーゲンもしくはII型コラーゲンを用いて、2時間以内に測定可能です。酵素反応は放射ラベルされたコラーゲンを用いた測定方法よりも高感度で、コラーゲンゲルを基質とする測定法に比べて、酵素反応速度は10倍です。本キットを用いて100サンプルの測定が可能です。

FITC標識コラーゲン

FITCで標識されたウシI型およびII型コラーゲンはコラゲナーゼ活性測定に最も適した基質です。本標識コラーゲンは高純度でプロテアーゼによって分解されるテロペプチド部分を含まず、さらにコラゲナーゼ測定のバックグラウンドを最小限にするために、FITC標識コラーゲンはフリーのFITCを除くためにイオン交換クロマトグラフィーでさらに精製されています。FITC標識コラーゲンは細胞培養の基質としても用いることができます。培養液中のコラーゲン分解産物は520nm（吸光波長）/490nm（励起波長）で蛍光強度を測定し、直接定量することができます。

MMP-8（コラゲナーゼ2）

リコンビナントヒト好中球プロコラゲナーゼはコラゲナーゼ測定の参照スタンダードなどのような様々な用途に用いることができます。コラゲナーゼ測定の最も重要なステップは不活性型コラゲナーゼの活性化です。コラゲナーゼの活性化方法はサンプルの由来、酵素の種類および活性化剤の選択に依存するので、不活型リファレンス用コラゲナーゼを使用することは重要です。
さらに活性型MMP-8はインヒビターの試験にも用いることができます。

MMP-13（コラゲナーゼ3）

リコンビナントヒトMMP-13（欠損型）は基質として蛍光標識合成ペプチドを基質として用い、阻害剤の研究に用いることができます。しかしこの欠損型酵素は未変性のコラーゲンを分解することができません。MMP-13（コラゲナーゼ3）は悪性腫瘍、関節炎の軟骨、リウマチの滑膜および創傷部位などの様々な組織で新たに発見されたマトリックスメタロプロテアーゼの一種です。軟骨細胞や滑膜細胞でのMMP-13の産生はレチノイン酸、TNFおよびIL-1のような炎症性メディエーターの刺激で上昇します。一般にコラゲナーゼはI型およびII型コラーゲンを3/4と1/4の2つのフラグメントに分解しますが、MMP-13はII型コラーゲンの第2の切断部を持ち、II型コラーゲンをI型コラーゲンの10倍の速度で分解すると報告されています。MMP-13はまた軟骨の主なプロテオグリカンであるアグリカンも分解します。